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南から来た男
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    こんばんはikeです。

    この雪では外出する気も起きず、自宅で雪見酒なんぞを楽しんでいました。
    ただ、酒を飲んでいるだけでは退屈なので、久しぶりに作文の勉強も兼ねてロアルド・ダールの短編集を引っ張り出してみました。
    彼の作品は何度読んでも新しい発見がありますね。

    ロアルド・ダールって作家はウェールズに生まれて、そこで高校を卒業するまで育った。
    そしてシェルの社員としてアフリカに赴任する。
    アフリカ赴任中に第二次世界大戦が始まり、当時イギリスの植民地であったエジプトでロイヤル・エアフォースに志願するわけ。
    そして何度かの空中戦を戦った後に撃墜される。
    ところが運良く生き延びて、戦後は作家としてデビューする。
    彼の作品にアフリカ時代や大戦中の話が生き生き描かれているのは、彼が若くて気力、体力共に充実していた時代の経験を生かして書いたからだろう。
    きっと彼は楽しみながら書いたに違いない。
    また、彼自身が極限状態に置かれた経験から、緊迫した場面の描写に迫力が生まれたのではないだろうか?
    そして彼の作品にはニヒルな切れ味がある。
    彼自身の風貌はハンサムな大男で、人柄は温厚で優しさに溢れていたらしい。
    このあたりは彼の作風とは正反対だ。
    彼の小説で「南から来た男」という傑作がある。
    粗筋を書くと、ある若い男がリゾート地で金持ちの男と賭けをするわけ。
    若者は自分の指を賭け、老人は車を賭けるのだが、ギャンブルの場面での描写が恐ろしいほどにリアル。
    若い男の焦りをすごい緊迫感で描いているのだ。
    そして最後に、悲しくもグロテスクな結末が用意されているわけ。
    敢えてオチは書かない(笑)
    粗筋だけ書くと悪趣味な作品と思われるかも知れないが、ギャンブルにのめり込む人間の心理を的確に描いた傑作だ。
    私ごときの解説では、この傑作の凄さを10%も表現出来ない。
    チャンスがあったらご一読を願う次第です。

    私はダールって作家が大好きだ。
    彼の小説はウィットに富んでいて洒落たオチがありますからね。
    でも、読み終わるまで安心出来ない、困った作家なんです。
    こんなスリリングな文章が書ければこのブログのヒット数も上がるんだろうな(笑)
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